第二段階

ここからは顔の全体的な輪郭、鼻、口、目周辺といった、各パーツの大まかなモデリングに入っていきます。なお、第一段階で作った頂点数や位置、ラインを断りなく変更することがありますが、皆さんもあまりこの説明にとらわれず「このラインが気に食わない」「ここに頂点があるとモデリングに都合が悪い」と思ったらどんどん変更していきましょう。

ちょっとした(いや、結構重要かも)ノウハウ

モデリングに入る前にちょっと上の二つの絵を見てください。あまり三次元的に正確な顔ではありませんが、右は大まかなワイヤーフレームを上書きしてみたものです。赤線見る角度によって必ず輪郭(もっとも外側)になるライン、つまり凸です。逆に青線は、いかなる角度から見ても輪郭にはならず最も凹んでいるラインです。皆さん「ペンツールのみでのモデリング」と聞くとウエッとなってしまうかもしれませんが、要はこれから作らんとするオブジェクトの最も凹凸なラインを見つけてまずそれをペンで描き、後はその間を埋めていく、それだけなのです。これからモデリングしていくことでわかって頂けるかと思いますが、面を張らなくても、右上図で示した赤青のラインをモデラー上で描くだけでもかなり顔っぽく見えてくるはずです。「ペンツールで作る」と言っても、こう考えれば楽・・・でしょ?ですから、顔に限らずどんな造形をする際でも、まずは頭の中にオブジェクトの形を叩き込み、その土台となるラインから”描く”こと、これが重要です。「地味で淡々とした作業になりますが」と”はじめに”で書きましたが、それは前述した「凹凸のラインの間を埋めていく=面を張る」作業のことであって、基本的にはあなたのセンスと経験(作り手としての)が問われるまさにクリエイティブな仕事になるでしょう。

@鼻の下から鼻の頭にかけてペンツールで結び、鼻下の面(の基部)を作ります。頂点位置の調整方法は第一段階で説明した通りです。まだ面は張らないようにしてください。(画面@)

画面@

A正面のライン、眉間のあたりの頂点と、横顔のラインのコメカミあたりの頂点を結んで眉のラインを描きます。何度も言いますが、SIDE&FRONTビューだけでなくTOPビューからも形をチェックすることを怠らないでください。(ちなみにここで眉間のラインの頂点を再分割で増やしています)(画面A)

画面A

B口を作ります。SIDEビューで、鼻の下から顎までのラインを再分割して頂点を増やし、唇のラインを形作ります。(画面B−1)次に、唇の真ん中の頂点のみ選択して、FRONTビューに切り替え、そこから口のラインを描き、頂点位置を調整します。(画面B−2)そして、上唇・下唇・口元の3頂点を選択して、上唇発口元経由で、下唇の頂点までラインを描き、頂点位置を調整して唇のアウトラインを仕上げます。(画面B−3)上唇・中唇(?)・下唇の頂点数は同じにした方が良いです。

画面B−1 画面B−2 画面B−3

CFRONTビューで目のラインを描きます。唇と同様、上瞼と下瞼の頂点数は同じにした方が良いでしょう。描いた後はSIDE&TOPビューで修正ですが、特にTOPビューでの修正をしっかりとやってください。何故なら、眼球に球のプリミティブを使用するため、瞼の曲線が正しくないと眼球がちゃんとはまってくれないからです。目が出来たら、周りのラインとの位置関係をチェックしましょう。眉より瞼が前に出たりしてませんか?目全体が内側、または外側によっていませんか?頂点数のバランスは?(筆者はここで眉の頂点数を増加してラインの位置を変更、更に顎と鼻のラインを再調整しています)また、下瞼より上瞼を前にせり出させた方がカッコイイです。(画面C)

画面C

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